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ヤン・カールスゴーデン野外博物館の案内板

ヤン・カールスゴーデン野外博物館の案内板

要塞ボマルスンド跡

要塞ボマルスンド跡

海洋博物館

海洋博物館

漁師のボート小屋

漁師のボート小屋

帆船ポンメルン号

帆船ポンメルン号

収穫祭のサイン

収穫祭のサイン

オーランド文化歴史博物館

オーランド文化歴史博物館

9月の収穫祭

9月の収穫祭

マリエハムンの中心街

マリエハムンの中心街

帆船ポンメルン号

帆船ポンメルン号

オーランドの特産アップル

オーランドの特産アップル

オーランド羊

オーランド羊

島と島を結ぶ渡し船-車と人を運ぶ

島と島を結ぶ渡し船-車と人を運ぶ

カステルホルム城

カステルホルム城

マリエハムンを紹介してくれたアンニカ・グレールンドさん

マリエハムンを紹介してくれたアンニカ・グレールンドさん

チョコレートつくりに情熱を傾けるメルセデス・ウルバノ・ウィンクイストさん

チョコレートつくりに情熱を傾けるメルセデス・ウルバノ・ウィンクイストさん

カステルホルム城

カステルホルム城

カステルホルム城

カステルホルム城

コッバ クリンタル(kobba Klintar

コッバ クリンタル(kobba Klintar

9月の収穫祭

9月の収穫祭

~ 過去から現代にいたる歴史を物語るオーランド群島 ~

 

4月の初め、オーランドを訪問する機会が与えられた。4月といえどもまだ寒く、雨模様の初春であった。オーランドはフィンランドに属してはいるが、独自の自治権を持っており、尚且つ、旗、切手も持つ。言語はスウェーデン語だ。 そういう面ではユニークな地域だが、それ以外にもユニークな面がある。美しい岩盤の島々は、歴史的な場所でもあり、一年中、様々なイベントやプログラムが催されているのだ。

 

ヘルシンキからフェリーでオーランドに到着したのち、オーランド観光局のマネージャー、アンニカ・グレールンドさんに今回のオーランド訪問のアレンジを頼んでおいたので、まず、観光局を訪問した。アンニカさんはオーランドの県都、マリエハムンの中心街を案内してくれた。こじんまりとした街だが、名前の由来はロシアの皇帝アレキサンダー二世の妻のマリアが付けたとのこと。オーランド群島の3分の一以上の人口は、この県都であるマリエハムンに住んでいる。アンニカさんは街を回りながら、オーランド特産品を扱い、訪問者に人気のある店を案内してくれた。店自体は大きくはないが、買いたくなるような品々が置いてあり、人気の店だということがうなずける。「SALT」はハンドクラフトのセラミックやテキスタイル、銀や木のジュエリーなどを扱っており、現地のデザイナーたちとも会うことができだ。 「JUDYS」は、英国の女性ジュディ・クイツネンさんが自ら作成した色鮮やかなセラミックを展示している店だ。また、チョコレートつくりに情熱を傾けるメルセデス・ウルバノ・ウィンクイストさんのチョコレートベーカリーも人気の店だ。

 

アンニカさんと別れた後、テューダ・ブドウ園を訪問した。ここには、リンゴ、チェリーなど1000を超える果物の木がある。ここでイングマル・エリクソンさんからいろいろとお話を伺えた。フルーツワインなどを製造しており、特に誇らしげに話してくれたのが独自のカルヴァドス(リンゴを原料とする蒸留酒)であるオルヴァドスだ。オルヴァドスには彼の心と努力が込められているのだ。

 

次に訪問した場所は、ウルフ・エクンドさんとその奥さんカリンさんが営んでいるペッタス・エコロジカル・ホームベーカリー。ここには多くのツアーリストが訪れるとのこと。単にエコロジーという概念にひかれてくるだけではなく、ウルフさんご夫婦のもてなしに多くのツアーリストが感動するとのことだ。例えば、コーヒーを飲みながら自由に洗濯もできるとのこと。このカフェは、ツアーリストにとっては自分の家のように感じるのかもしれない。

 

マリエハムンにある博物館、オーランド博物館には、オーランドの歴史が詰まっていいた。石器時代初期、およそ6000年前に人がこの島の土を踏んで以来、多くの漁師、兵士そしてその家族が暮らし始めたのだ。 海に囲まれた群島は、魚などの食料が宝庫以外に貿易を通じ多くの繁栄をもたらした。オーランドを訪れた際には、ぜひ、この博物館にも足を運んでもらいたいものだ。

 

興味深い博物館の一つに船の博物館ポンメルンがある。ポンメルン号は1903年に造られた木造の貨物船で、マリエハムンの西の港に停泊している。船舶博物館のベルティ・ビュマンさんの説明によれば、この船でオーストラリア、南米などと交易したとのことだ。

 

オーランドのスンドにはロシアが1882年に建設した要塞ボマルスンドがある。実際は完全に完成する前にクリミア戦争で英仏軍によって破壊されたのだ。このボマルスンド遺跡は花崗岩できており、今では一般に自由に公開されている場所だ。一時の時間、ここでかってロシアがスウェーデンなど西側諸国に対する防衛線としてオーランドに要塞を築こうとした歴史を思いをはせてみた。 また、スンドにはカステルホルム城もあり、歴史の一コマを描いている。カステルホルム城は、グスタフ・ヴァーサはじめとしたスウェーデン国王が滞在した城と言われ、かって国王たちの東への通過ルートとしてオーランドが使われたことを物語っている。

 

今回の訪問では、アンニカさんの計らいでサルトヴィークにある歴史的な建物クヴァムボ・ガスセムに滞在することができた。ガスセムは1880年に建てられた家で、マーティン・グロムウェル・モーガンさんとその奥さんのエラ・グルッセナーさんが現在ゲストハウスとして運営されている。部屋はホテルとは違い、かっての時代の部屋の様子を維持しているかのようだ。またこのゲストハウスの近くにはオーランド諸島の古い教会の一つがある。マーチンさんが教会に案内してくれ教会の歴史を語ってくれた。 彼曰く、この教会はすべての訪問者に対しドアは常に解放されているのだと。

 

オーランド諸島の二日間にわたる訪問は、自然の美だけではなくオーランドの歴史また人々の温かいもてなしに感動の連続であった。次回訪問するときは、カヌーやサイクリングなど車での旅とは違った旅をしてみたいと思う。

 

 

バルト海、ボスニア湾の入口に位置しスウェーデンにも近いオーランド諸島は、約6 500の島が存在する群島だ。そのうち人が住んでいるのは、約60の島だという。ここはフィンランドの自治領だが、住民のほとんどはスウェーデン系でスウェーデン語を話す。独自の旗と切手も発行しており、フィンランドではユニークな存在だ。このオーランドに多くの人々が、特に夏のシーズン、フェリーや飛行機で訪れ、群島ならではの自然の美の中でひとときを過ごすのだ。

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