~自然の静寂さと美、人々の情熱と寛容さ~
7つの橋群島
<ニューカルレビー、ペデルソレ、ヤコブスタード、ラルスモ、クロノビー、コッコラ>
7つの橋群島は、首都ヘルシンキより北西、450から490キロの距離に位置する小さな都市や村が集まった地域です。訪問した時期、9月の下旬、色とりどりの自然の美しさを醸し出しており、また、寛容さで持って訪問者を迎え入れる地域の人々とともに、自然と文化の調和を織り交ぜた地域だ。
ボスニア湾の東側に位置するこの地域は、歴史的な湾岸地域で隣国のスウェーデンとは何世紀にも渡って関係を持ち続けており、事実、スウェーデン語が第一言語として使われています。さらに興味深いのは、この地域は毎年約9ミリメートル陸地が上昇しており、オランダのほうに水が流れているらし区、毎年新しい小さな島が現れる。
観光局の責任者グンバー・ハッグマンさんの計らいにより4日間、今回訪問することができ、自然の美しさ、人々の情熱と寛容さに触れ、この地域特有の文化、歴史のユニークな世界を知りえたのは幸運だとも言えよう。
忘れられない自然の中での体験
数多くの美しい自然に囲まれたこの地域には、自然の美と偉大さを堪能する小道があり、特に長年の間、人が手を加えることのなかった「ロステン・トレック」と呼ばれる自然の小道があり、その小道にはかっての石器時代からの巨大な岩があり、自然の美とともに歴史をも感じさせられるものだ。また、小道を歩きながら、自分が静寂な自然の中に溶け込んでいることを感じさせられる。驚きなのは、この地域の人々は、すべての人に自然の美しさと偉大さを堪能してもらおうと、たとえ車椅子が必要な人にもボランティアの人たちが手助けしてくれ、この地域の人々の情熱が伝わってくる。
一方、ボスニア湾では、カヌーでもってエキサイティングな経験を楽しむことができるのだ。カヌーはここでは自転車のようにこの地域を見てまわることとができ、たとえ夜でも、月が出ている夜は、人はカヌーで楽しむのだ。カヌーの経験を楽しみたい人は誰でもカヌーを学んだのち、ボスニア湾をカヌーで散策できる。
まさに、この地域は森の中で、湾で、忘れることができない経験を提供してくれるのだ。
この地域は小さいくのどかな町々が多い。そのひとつ、ヤコブスタードには、手の行き届いた庭園が多く、町の散策を楽しいものにしてくれる。最も北にある庭園のひとつで1900年代の初めに設立された学校のなかにある庭園は単なる庭園ではない。約1000種の植物が植えられており、特に、バラは200種類あり、春と夏には咲き誇る花の美しさに多くの人が魅了してくれる。
また、18世紀の中ごろに建てられたアスペグレン 庭園は、非常にユニークなバロック様式の庭園だ。 この庭園は1777年にデザインに基づき再建された歴史的な庭園だ。アスペグレン庭園でアンさんとフレッドさんが情熱的に語ってくれたことは、庭つくりのコース以外に料理や工芸品など文化的なイベント、中世時代の状況を再現する演劇、夏季には庭園において庭園で取れた食材でもっておいしい料理を味わうことができるのだ。
素朴さの中に私たちに歴史を語りかけてくれる木造の家
オストロボスニア地方には、オリジナルの原型を留めた木造建築の家が立ち並んでいる。特にコッコラにはネリスタンと呼ばれる1700年代から1800年代に建てられた木造建築の家が立ち並ぶ地区があり、散歩しながら歴史とかっての建築デザインを満喫することができるのだ。ネリスタンはかって、職人と船員が住んでいた都心部の一地区で、ほかの地区は火事でもって当時の跡形は残っていない。
ヤコブスタードには450軒の旧木造建築の家がスカタと呼ばれる地区にあり、フィンランドでは最も大きい旧市街地だ。これらの旧木造建築には高い塀があり、各家に囲まれた小さいが素敵な中庭があるのだ。 これらの家の外壁は改築の必要性があったとしてもオリジナルの様相を維持しないと許可されない。7月の終わりの「ヤコブの日」にはこれらの庭が一般に開放され、多くの人が多くの家の中庭を訪れ見て廻る。 また、その日を含めた一週間、スポーツ、、音楽、ダンスなど、さまざまなイベントの催しが行われ、多くの人々がやってくる。
ユニークな博物館
7つの橋群島の地域にも、多くの博物館や美術館がある。その中でもユニークで驚くべき博物館の一つは、ナノク北極博物館(ナノクはイヌイット民族のことばで北極グマ)で、フィンランドで最初の北極博物館です。驚いたことに、ナノクには大規模なコレクションがあり、これらのコレクションは、ペンティ・クロンクビスト氏が個人で収集したもの、ならびに友人たちからの寄付によるものだ。ナノクは単なる博物館ではなく、北極地域の住民がまるで移動してきたように構築された村のようにできており、クロンクビスト氏の北極に対する情熱を物語っている。
ナノク北極博物館の創設者、クロンクビスト氏は、自ら北極探検に参加し、北極の神秘な世界に魅了された一人。したがって博物館の支持者は多く、建物の多くはボランティアたちにより建てられた。
フィンランド人のかっての生活様式を知りることのできる博物館が、コッコラから10キロの村、カルビアにある。このトイボネン博物館にはかって、人々が飼っていた家畜も飼われており、かっての生活様式を学ぶために、多くの学校の子供たちがやってくる。
博物館のユニークな特徴として、それぞれテーマごとに小屋が準備されており、45の小屋の中にそれぞれ生活様式がわかるように展示されている。展示品は7500にも上り、50年から100年前のフィンランド人の生活様式を示す貴重な博物館となっている。さらに、この生活様式の博物館は単に見て回るだけではなく、昔ながらの料理方法で調理されたおやつや食事が食べられ、フィンランドの昔を料理を通じて味わうのも忘れがたき経験になるだろう。
ペデルソレのファゲルバッカ(fagerbacka)も、一度は訪れてフィンランドの昔の移動式酪農生活を味わってみることをお勧めしたい。かっては牧草を求めて牛などが移動するとき、ファゲルバッカと呼ばれる宿のようなところを転々としながら移動したらしい。牛がファゲルバッカにとどまりながら、夏にはバターとチーズを牛乳から作ったりしたとのこと。つまり、移動式農家のようなものともいえよう。 ここでは、かっての衣装を着たおばさんたちから伝統的な料理をご馳走になった。食べてみたらわかると思うが、これが以外においしいのだ。おそらくそこで取れた新鮮な食材を使っているからだと思う。
ニューカルレビーにはまた、17世紀に存在したフィンランドの国民的作家、ザチャリアス・トぺリウスが生まれ幼年期を過ごした家が一般に開放されている。彼の詩や童話は、フィンランドの人々に国家的なアイデンティティを植えつけた。訪問客はここで多くの興味深い話を聞けるし、彼が採集した昆虫などの標本もある。
地域の精神と文化
今回の訪問では自然の神秘さと美しさ以外に、地域の人々の文化活動に対する情熱は感動を覚えた。 この地域には、事実、多くのコンサートやイベントが催しが行われるのだ。イベントや音楽のプログラムの主催者やスタッフの多くはボランティアだ。つまり、彼らは音楽を愛するゆえにボランティアの立場でも音楽を計画するのだ。その一人、アニカ・ミュルラリさんと出会った。彼女は情熱を持ってウエストコースト・コッコラ・オペラについてせつめいしてくれた。 私は彼女に、どうしてオペラをこの地で行うこととなったのか聞くと、彼女の答えは意外だった。この地域の人々の声がすばらしくオペラに適しているからだとのこと。彼女はオペラを2004年に設立、いまや国際的なオペラ歌手を招待する規模にいたった。単なる地方のオペラ公演ではなく、毎夏、国際的なオペラ公演が催されるのだ。
私はまたヤコブスタードで二人の若い女性、ミンナ・オストマンさんとソフィア・ニュバッカさんとミュージック・カフェ「After Eight & Hostel Lija」で面白い話を聞くことができた。彼女立ちも情熱的に音楽やそのほかの文化活動を語ってくれた。ミュージック・カフェ「After Eight」は青年活動の場であり、青年たちが文化活動やプログラムを紹介する場となっている。さらに、カフェで提供される料理はすべてこれらの若者たちが料理する。すばらしいのは若者たちが地域活性化のために大いに貢献していることだ。若者たちの創造性を伴う活動が多くの若者をひきつけており、さまざまな文化活動が行われているのだ。町の中を徒歩で歩いて廻ることもできるが、うれしいことに自転車で見て回れるように配慮されているのだ。自転車の道路は整備されており、町中に巡らされており、イベントを見て廻るのに貢献している。
ヤコブスタードで、もう一人、カイ・ヴィスとロームさんと出会った。ブラックスミス(鍛冶師)と呼ばれる彼は自分の工房でで美しいハンターナイフを作っている。彼は彼の工房に訪れる人は誰でも歓迎してくれるし。秋に訪れた場合、彼は確かに彼の庭で取れるおいしいリンゴをご馳走してくれる。 これが結構おいしいりんごなのだ。
彼の工房を後にし、フィンランドでは三番目に古いセーリングクラブであるムスタカリ「mustakari」を訪問、ムスタカリは単なるセーリングクラブではなく、地元のおいしい魚料理を味わいたい人にとっては、すばらしい景観を見ながら味わうことができるクラブなのだ。 ここでフィンランドの魚料理を一度は味わってみてほしいものだ。フィンランドの西北の海沿いにある地域7つの橋群島の訪問は、自然と人々に感動をともなう忘れがたい場所となった。