高校の卒業式がが5日、全国で一斉に行われたフィンランドでは、8月の新学期から義務教育が18歳までに延長される。昨年の国会で決まったこの改革は、教育レベルを高め、また教育を受ける権利と平等を高めることが目標だ。
16〜18歳の若者のうち約16%は中学校までの基礎教育レベルであり、基礎教育だけでは社会生活を営むことは不可能だという判断に基づいたものだ。
従ってフィンランドでは、中学校を卒業したら、入試はないが、中学の最終学年で行われる全国共通の卒業試験の成績によって進学する高校が決まる。しかし、普通高校の受け入れ人数が限られているため、全て普通高校に進学できるとは限らない。つまり、卒業試験の全科目の平均点が少なくとも10点満点中7点以上は必要だ。若者たちは進学したい希望校を4
校書いて申請し、それぞれの高校は希望する若者の中から成績順に選ぶ。普通高校に進学しない若者は専門高校を選択し、学校や実際の職場などで職業訓練を受けて資格を取る。フィンランド社会では、「資格」が重要視されており、「資格」がないと就職はほぼできない。このため専門高校を希望する若者も多い。
大学院まで授業料は無料だが、高校からは授業料以外の費用は今まで自己負担であったが、義務教育となると教育費、学食、教科書、また専門高校での作業着などすべて無料になる。一方で、予算の問題など学校現場は頭を痛めている。
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