1匹のオオカミが4月の中旬の朝から夕刻にかけて、首都圏の都市ヘルシンキ、エスポー、バンターで目撃された。家族で散歩中にオオカミに出くわした人の話によれば、最初は大きな犬かと思ったが、すぐさまそれはオオカミだと分かったという。
「明らかに大きく、頭も大きく、尻尾もオオカミのものだった」との話だった。オオカミに出くわしたのだからさぞ怖かったかと思いきや、「都市でオオカミと出会えるとは、本当に感動的で素晴らしい瞬間だ」と意外な答えが返ってきた。
専門家によると、オオカミが首都圏の大都市の住居地域で目撃されることはほとんどないとのこと。また、オオカミに出くわした人たちの話では、うなり声をあげたり、牙を見せたりしなかったことから、専門家や警察は、母親からはぐれた若いオオカミが迷い込んだ可能性が大きいと見ている。
また、このオオカミが攻撃的な行動をとったりしていないため人間に危害を及ぼすことはないだろうと判断し、探し捕えるというよりは暗くなってから自ら深い森林地帯へ移動することを期待するという。
フィンランドには216〜246匹のオオカミが生息しているとみられている。記者は時々シカやキツネと出会ったりするが、めったにないとはいえオオカミにも道端で出会うことがあるかもしれないと思うと、森林面積が国土の73%を占める「森と湖の国」ならではの出来事かもしれないと感じさせられた。
コメント