5月1日はいわゆるメーデーだったが、フィンランドでは「バップ」(va
ppu)と呼ばれ、春の到来を祝う日でもある。今年はコロナ禍の規制が解
除されたこともあり、「バップ」前夜祭の4月30日の夕方には、街頭に多
くの人があふれた。
特に、ヘルシンキのマーケット広場で白い学帽を裸婦像「ハビス・アマン
ダ」にかぶせて学生の連帯を示す恒例のセレモニーには、高校卒業予定者を
含め、高校を卒業した人たち約8万人が集結。像に学帽がかぶせられると同
時に人々も学帽をかぶる光景は、目を見張るものがある。
そして5月1日に、人々は白い学帽をかぶり公園へピクニックに出掛け、春
の到来を祝うのだ。この日の伝統的な飲み物は「シマ」という蜂蜜と水を混
合して発酵して作られるハチミツ酒だ。
食べ物は「ムンッキ」と呼ばれるドーナツ、固めの揚げパンのような「ティ
ッパレイパ」というスイーツだ。寒さが厳しい冬を終えたフィンランドの
人々にとって春はまさに甘い季節で、それを象徴するかのように甘いドーナ
ツが「バップ」の食べ物だ。
5月ごろから晴れの日が続き、気温も暖かくなり、日照時間も長くなり、新
緑の季節の始まりである。外で音楽を聴いたり読書をしたり、コーヒーを飲
んだり、散歩や運動など外で過ごす人が急に多くなる。ただ、6月は「ケサ
クー(夏の月)」呼ばれるようにスイートな春は短い。
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