約4週間ある夏の休暇は、フィンランドの人々にとっては、日頃の忙しい日々の疲れを癒すための大切な期間となる。
その夏休みの始まりは、基本的に6月25日の「ユハヌス(夏至祭)」からだ。「ユハヌス」はフィンランドで重要な行事の一つであり、「ユハヌス」の日、家族や友人と郊外のサマーコテージなどで自然の中でサウナに入ったりしてのんびりと過ごすのだ。仕事で忙しい日々と違い、自然の中でゆったりと過ごしたいからだ。「ユハヌス」の前夜には、各都市で湖のほとりでコッコと呼ばれる大きなかがり火を焚いて、歌ったり踊ったりして祝う。悪魔をおいはらうためにコッコを焚き、豊作を願うという風習からきている。火は悪魔を追い払い幸運を呼ぶための力があると信じられていたのだ。
1300年代までは、「ユハヌス」は春の種まきの後に行われ、天候の神である「ウッコ」に捧げられた岩井の祭りだった。また、未婚の女性が夏至の前夜、枕の下に7-9種類の花を集めて置くと、「ウッコ」が将来の夫が誰か、夢の中で教えてくれると信じられていた話は、何ともロマンチックな話で微笑ましい。「ユハヌス」が終わると、本格的な、しかし短い夏の季節となる。しかし近年は、日頃の疲れを癒し鋭気を養うはずの夏休みのはずが、夏休みが終わると離婚する夫婦が増えるという。長い夏休みに一緒に過ごすことで、日頃の疲れを癒すどころかストレスがたまるらしい。したがって、夫婦別々の期間に夏休みを取る人も増えているという。
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