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ロシアとの関係で難しい舵取り

ウクライナ情勢をめぐってロシアと欧米との緊張関係が続く中、ロシアと隣接するフィンランドは特に自国の安全保障に対し一抹の不安を抱いている。


 ニーニスト大統領は年頭のあいさつで、フィンランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟申請の選択肢を保持していると強調、マリン首相も国民が望めば加盟申請すると述べた。ロシアのプーチン大統領がNATOの東方拡大を阻止するために軍事的な行動も辞さない態度に対してフィンランドの立場を示したものだ。

 冷戦期、対ソ友好外交をとりつつ、中立外交をも貫くことによって独立を維持し、東西懸け橋外交を展開してきたフィンランドだが、ロシアに対する警戒心が強まりつつある。

 2018年の調査では、NATO加盟に賛成する国民は3割ほどだったが、今では加盟を願う国民は増えつつあるという。

 ただ、国内に住む外国人のうちロシア人はエストニア人に次いで多く、約2万8000人だ。さらにフィンランド国籍を持ちながらロシア語を母国語としている人は約8万人でトップだ。

 以前ロシアから移住してきた人たちと話したことがあるが、彼らは欧米の情報よりロシアからのニュースや情報の方を信頼する傾向が強い。ロシアとの関係が悪化すれば、彼らはロシアを支援する立場に立つ可能性は高い。

 今年はフィンランドにとってもロシアとの関係で難しい舵(かじ)取りを強いられる年となるかもしれない。

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