サンナ・マリン首相が新年のメッセージで称賛したフィンランドの精神を表す「シス」は、たびたびフィンランドの文化として語られてきた。「シス」とは、極端な逆境に直面した時の並外れた決意であり、成功する可能性が低い状況の中で示される勇気を表す精神的態度のこと。 数百万年前にさかのぼる用語で、フィンランドの文化を理解するには欠かせない用語とも言われ、フィンランド人の最も好きな言葉でもある。
例えば、1939年から1940年、旧ソビエト連邦の侵略に直面したフィンランド人は、旧ソビエト軍の容赦ない攻撃をソビエト領土に持ち込み耐え独立を維持したことで,世界に「シス」を示した。
マリン首相は、国民が一つとなってパンデミックを乗り越えるだけではなく、国家の経済回復とともに、欧州全体の回復に向けての協力の必要性を「シス」の精神でもって強調した。 また、サウリ・ニーニスト大統領も新年のメッセージでパンデミック疲れを感じていても、継続して対処することを強調するとともに、「新型コロナウイルスによって人々の行動の変化と経験は、気候変動の緩和の教訓ともなれる」と述べ、「シス」の精神で気候変動とパンデミックの戦いに対し、人々が一つとなって乗り越えていくことを述べるなど、フィンランドにとって2021年は、「シス」の精神を世界に示す年となりそうだ。
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