フィンレイソンの工場跡に様々な店、レストラン、博物館が入っている | フィンレイソンの教会 | 芸術家カーリナ・カイッコネンの作品「Shadow」 | ラウコントリ港のあたり。 ここからクルーズの船が出港する | 博物館センター・ヴァプリー | フィンレイソンの工場地帯 | タンペレ中央駅 |
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タンペレ市立美術館並びにムーミン美術館 |
ユニークな都市タンペレ
フィンランドの人々が一番住みたいと思う都市が、タンペレは、人口約22万のフィンランドで3番目に大きな都市だ。 8月の最初、ヘルシンキからバスでタンペレに日帰り旅行を試みた。 バスで約2時間半、ヘルシンキから手軽に行くことができる。さらにうれしいことには、タンペレの多くの観光スポットは歩いて回ることができるのだ。
ナシ湖とピュハ湖に挟まれた都市タンペレは、両湖を結ぶタンメルコスキ川がほぼ中央に流れており、19世紀には、この水力を利用した発電により工業都市として発展したのだ。今では勝手の赤レンガ造りの工場に、様々な店、レストラン、博物館などが入り、タンペレを訪れる人を楽しませてくれる。
今回はまずピューニッキの展望台に行き、そこからタンペレ駅に向かって散策するコースを取った。時間をセーブするため、市バスでピューニッキトリまで向かうことにした。ビューニッキトリで降り展望台を目指して地図を見ながら歩くこと約20分、展望台に到着した。展望台にはすでに多くの人たちが訪れており、彼らに交じって展望台の名物であるドーナツを食べることにした。さすが名物だけあり、揚げたてて暖かくおいしいドーナツだ。 周りは森林であるがゆえに、空気もよく散歩するには絶好の場所だ。 展望台を後にして向かったところは、タンペレ市立美術館、並びにムーミン博物館、ムーミン谷博物館には、作家のトーベ・ヤンソンによって寄贈された原画作品2000点余りが所蔵されている。ムーミンファンにとってはうれしい場所なのだ。 次に向かった場所は、アレキサンダー教会、そしてレーニン博物館と続く。ネオ・ゴシック建築のアレキサンダー教会は、ピューニッキ教会公園内にそびえており、また、旧ソ連の崩壊のあとも存続しているレーニン博物館は世界唯一だということだ。レーニン博物館がなぜタンペレあるのかと疑問に思ったが、話を聞いてみると、レーニンはタンペレで「国家と革命」という本を書き、また、レーニンがスターリンと初めて出会ったのもタンペレなのだ。 ハメーン公園を通り抜けながらラウコントリ港に向かった。 ハメーン公園はタンペレの中央に位置する公園だ。ラウコントリ港は、ピュハ湖に面した港で、マーケット広場があり、また、タンペレ特有の赤煉瓦の倉庫、建物が周りの景色とマッチしている。港には人のみがタンメルコスキ川を渡ることのできる橋が架けたあり、その橋も風景にマッチしている。 さらにこの港からは観光フェリーが出ており、多くの人がフェリーでの観光を楽しんでいるのだ。 かって、このフェリーにランチをいただき、湖からタンペレを眺めるのもいい思い出となった。
この港からタンメルコスキ川沿いを北に向かって歩くと、そこはフィンレイソン地域に出る。 そこには多くの店やレストラン、そして博物館などがかっての工場の後に入っており、多くの人たちの訪れる場所となっている。
芸術家カーリナ・カイッコネンが多くのジャケットがぶら下げて作成した作品「影(Shadow)」のあるサタクンナン通りや、ヴァプリーッキ博物館センター、アムリ労働者博物館、スパイ博物館など、タンペレならではの博物館がこのあたり一帯にあるのだ。 この一帯を散策している途中、馬車に乗った親子ずれに出会った。 お母さんが馬車に乗りながら隣の子供の写真を懸命にとっていたのが印象的だ。
さらに東の方に少し行けば、タンペレ大聖堂が現れた。 大聖堂と言われるだけあって大きい。 大聖堂に何と日本のツアー団体がバスで乗り付けてきた。 ここは見逃すことができない観光スッポトらしい。 大聖堂は石造りでナショナルロマン主義建築だとのこと。ヘルシンキのカッリオ教会などを設計したラルス・ソンクがこの大聖堂も設計したとのこと。中に入ると巨大な花輪、天井には蛇が描かれている。
今回は日帰り旅行なので大聖堂を最後にバスでヘルシンキに戻った。 まだまだ見ていない場所もあり、また、ショッピングも十分楽しむには時間がなかったが、充実した一日旅行であった。 次回は、タンペレの郊外の自然の中で過ごしつつ、タンペレの街を再び回ってみたいものだ。